ドッグフード・犬の病気【生殖器の疾患】停留精巣(陰睾)
男の子のワンちゃんの場合、生後30日前後で睾丸(こうがん)が陰嚢(いんの う)内に降りてきます。まれに外見上睾丸がひとつしか確認されない(片睾丸)また はふたつとも確認できない場合があります。
これは睾丸が陰嚢まで降りてきていない状態で、陰睾(いんこう)または停留睾丸(ていりゅうこうがん)と呼ばれます。
遅くとも生後8ヶ月前後までに降りていない場合は、
その後も降りる可能性が低いと考えられています。
では・・・どうすれば好いのでしょうか??・・・を説明します。
停留精巣(陰睾)とは?・・・生殖器の疾患
停留精巣とは陰嚢(おちんちんの下のふくろ)の中に精巣(睾丸とも呼ぶ)が入ってない状態で、男の子の先天的な異常の中でもっとも頻度の高い疾患です。
ワンちゃんの飼い主にとっては非常に心配なショックを受ける疾患です。
このページでは、症状~予防・治療等の説明をさせていただきます。
「タマ無し野郎?!」では・・・イヤダよネ~‼
概要
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停留精巣とは、性成熟の時期(生後6ヵ月)を過ぎても、陰嚢(ペニスの下にある精巣を入れる袋)の中に精巣(睾丸)が入っていない状態のものをいいます。
陰睾、停留睾丸、潜在精巣とも言います。
睾丸は2個あるので、停留精巣は片側(1個)に発生する場合も両側(2個)に発生する場合もあります。
犬の精巣はどのようにして陰嚢に収まるのでしょう?
精巣は生まれる前に腎臓のわきに発生して、生まれる直前になると徐々に陰嚢側に移動を開始します。通常は生まれて1ヵ月程度たつ頃に陰嚢の中に精巣が収まります。
しかし、何かしらの原因によって性成熟の時期(生後6ヵ月)を過ぎても精巣が陰嚢に収まらない場合があります。よくある停留精巣の位置は腹腔内の膀胱付近や、後肢の内側つけ根(鼠径部)皮下です。陰嚢内よりも高温状態にあるため、精巣腫瘍の発生頻度が上がると考えられています。
そのため精巣腫瘍の予防として、停留精巣を摘出する手術が行われています。
停留精巣を発見するのは比較的簡単で、陰嚢を触ってみて、生後6ヵ月を過ぎてもコリコリとした精巣が2個触れなければ停留精巣を疑えばよいと思います。
精巣が腫瘍化するのは中年齢を過ぎてからがほとんどなので、停留精巣が疑われても犬にとって苦痛はなく、早急に手術が必要なわけではありません。専門家とよく相談をしてから今後の方針を立てます。
症状
ワンちゃんの自覚症状はありません。
ただし中年齢をすぎてから腫瘍化した場合は、腫瘍のタイプによっては、雌性化、脱毛や痩せて下痢が始まる場合や、貧血を起こす場合があります。
対象
どの犬にもみられる疾患です。
小型犬に多く、若齢なオス犬に発見されます。
遺伝性の疾患が疑われています。
予防、治療
遺伝的な要因が疑われるため、予防法はありません。生後1〜2ヵ月を過ぎて陰嚢に精巣が触れなければ、専門家に相談します。
治療については、停留精巣を正常な位置に戻す治療というよりは、将来的に精巣腫瘍化する可能性をふまえて、停留精巣を摘出する手術が行われる方法が一般的です。性成熟後(生後6ヵ月程度)に陰嚢に精巣がない場合は、停留精巣を摘出します。遺伝性が疑われる疾患なので、去勢手術を兼ねて左右両方の精巣を摘出する場合も多い様です。
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