ドッグフード・犬の病気【生殖器の疾患】難産
古くから、犬は安産の象徴とされてきました。
現在でも安産祈願の帯祝い(妊娠5か月目の儀式)は
戌の日に行ないますので、出産経験のある女性は良くご存知で
「犬が難産?」と驚かれます。
しかし、犬にも難産は起こるのです!!
難産・・・生殖器の疾患
犬は安産の象徴とされてきました。しかし、犬にも難産は起こります。
特に近年、爆発的に頭数の増えた超小型犬や、大きな頭とガッチリした肩を持つ短頭種は難産犬種として知られており、帝王切開の多くは、これらの犬種が占めています。
妊娠しているワンちゃんを家族にもつ方々は、「難産にならないだろうか?」と心配されることが多いと思います。この記事では、犬の難産概要、症状、予防・治療法ついてご紹介します。
概要
難産とは、母犬が自力で出産をすることが困難で、外部から手伝わなければならない状態のことを言います。昔は、「犬は安産だ」と言われてきましたが、現在は小型犬や短頭種が増え、室内で過ごす犬の割合が増加する状況にあり、難産の犬も増加する傾向にあります。
難産であるかどうかを判断するには、出産時の時間の流れを知る必要があると思うので説明します。
交配から58〜63日たつ頃になると食欲が落ち、そわそわと落ち着きがなくなってきます。床をひっかく巣作り行動も始まります。体温が1〜2℃ほど低下して24時間以内に出産が始まります。繰り返し来るいきみが始まり、破水してトロっとした水が出てきます。さらに強いいきみとともに、胎児がツルっと出てきます。母犬は胎児の羊膜やへその緒を噛み取り、次の胎児の出産に備えます。
30分〜1時間程度で2頭目の出産が始まります。
この一連の流れから外れている場合は、母犬の状態を見て、難産ではないか確認をしましょう。難産の場合は、母子共に危険な状態になる可能性があるので、獣医師などの専門家に相談をします。❤❤
症状
以下のような症状が見られる場合は難産を疑います。
・24時間前に体温が低下したのに出産が始まらない。
・強い陣痛が30分以上続いているのに胎児が出てこない。
・黒ずんだ緑色のおりものが出てきて30分以上も胎児が出てこない。
・陰部から胎児の一部が確認できるが、介助しても出てこない。
・破水して数時間しても胎児が出てこない。
・いきみが弱い、または数時間いきみがなく、出産が始まらない。
対象
難産の代表的な犬種は・・・
・ブルドッグ、
・ボストン・テリア、
・パグ、
・ペキニーズ、
・狆、
・チワワ、
・ヨークシャー・テリア、
・シー・ズー
・・・などが挙げられます。
品種に限らず・・・
・体重5kg以下の小型犬、
・短頭種、
・肥満、
・削痩、
・運動不足、
・胎児が少数(1〜2頭)、
・高齢犬での出産
・・・は難産のリスク要因です。
難産の発生率は5%程度と言われています。
出産歴がある場合は、過去に難産になった犬は、次回も難産になる可能性が高い様です。
予防、治療
予防として、適度な運動を交配前から行うことで肥満を防ぐとともに、筋肉量を増やすことでいきみやすくします。
交配後は、ストレスを減らし出産しやすい環境をつくってあげましょう。
過去に難産になった犬や、短頭種、小型犬の出産を行う場合は、
交配前から専門家に相談し、定期的に診察を受け、難産時に緊急対応できる(特に夜間)体制を整えておくことも大切です。
治療は、
内科治療として膣周囲へのマッサージ(フェザーリング)や胎児をやさしく引っ張ったり、陣痛を促す薬の投薬などがあり、
外科治療としては会陰部切開や帝王切開があります。
治療の選択は母子の状態に応じてさまざまなので、専門家と緊密に連絡を取り合い、判断をしてもらいます。
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