犬が抱えやすいアレルギー性皮膚炎には大きく分けて3つあります。
- 食物アレルギー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
犬の食物アレルギーと上手に向き合うためには、まずドッグフードの選び方に気をつけてみましょう。
「ドッグフードを変えたらアレルギー症状が緩和した」
という話は実際によくあり、
薬を投与するよりも有効的な方法なため
食事の改善を推薦する獣医師も非常に多いです。
ドックフードを選ぶ際には、添加物の有無(酸化防止剤・着色料・甘味料)等々の
飼い主のチェックが非常に大事です。
健康を害する危険性のある添加物
現在、さまざまな種類のドッグフードが販売されています。
しかし、その中には見栄えを良くするために着色料を使用したり、風味を良くするために香料を使用しているものが少なくありません。
そして、中にはドッグフードを一粒一粒、骨の形やハート型に整形したものまで目にします。確かに地味で目立たないものよりも、発色が鮮やかなものや、形が整っているものの方が目に付きやすいということはありますし、また、風味が豊かでわんちゃんの食いつきが良ければ、そのドッグフードが愛犬には適していると思いがちです。
しかし、
・発色の良さや
・ドッグフード1つ1つの形の良さ、
・作られた人工的な風味の良さ
などは、犬の健康な食生活にとっては何のメリットもありません。
そればかりか、その過程で無駄に?使用された着色料や香料などの添加物は、犬の健康に悪影響を与える危険性があるのです。
愛犬の健康を守るために、まずは、健康を害する危険性のある添加物としてどのようなものがあるのか知っておくことが大切です。そこで今回は、ドッグフードに含まれる添加物の中で、健康への悪影響が指摘されている代表的なものをご紹介します。
酸化防止剤について
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酸化防止剤は、ドッグフードの酸化やカビの増殖を防ぎ、長期の保存を可能にするために使用されます。一見するとドッグフードを長持ちさせるために便利な酸化防止剤ですが、実は酸化防止剤そのものが犬の健康に悪影響を与えることが懸念されています。
特に、今回ご紹介するものは、犬の体への悪影響が指摘されているものばかりです。
エトキシキン
エトキシキンは、日本では使用を禁止されている非常に強力な酸化防止剤です。その歴史をさかのぼると、ベトナム戦争の際に、アメリカ軍が使っていた枯葉剤の酸化防止剤としても使用されていたという経緯があります。
エトキシキンは、安価でかつ強力な抗酸化作用をもつため、特に、安価な外国製のドッグフードでは、しばしば使用例がみられます。
軍隊で使用されていたほどの劇薬ですから、その健康への悪影響は推して知るべしだといえるでしょう。日常的に摂取し続けることで、皮膚炎や、がんの原因になるとも言われています。
成分表記にエトキシキンの表記を見かけたら、ただちに使用を中止することをおすすめします。
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、もともとはガソリンの酸化防止剤として使用されてきたものです。その後、バターやマーガリン、冷凍食品などへの使用が認められ、一部のドッグフードにも酸化防止剤として使われています。
BHAは非常に強力な抗酸化作用を持っている反面、健康への悪影響も深刻で、マウスを使った動物実験では、BHAを投与してからわずか数分後に歩行が困難になり、最終的には死亡が確認されたという報告例もあるほどです。
また、膀胱(ぼうこう)や甲状腺のがんなどを引き起こす発がん性物質としての危険性も指摘されています。
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、従来は石油用の酸化防止剤として利用されてきました。また、冷凍商品や一部のお菓子など食品への使用が認められている点、ドッグフードへの使用が認めらている点などは、BHAと同様です。さらにBHAがそうであるように、発がん性物質としての危険性も懸念されています。
ドッグフードに含まれる着色料について
無添加のドッグフードであれば、焼き上げる工程で色にばらつきが生じることも珍しくはありません。市販されているドッグフードの中には、見栄えを良くするために、着色料を使って発色しているものがあります。一見すると、カラフルで購買意欲をそそられそうにも思えますが、着色料自体は、決してワンちゃんの体にとって良いものではなく、ガンなどさまざまな健康トラブルの原因にもなりうる危険性を含んだものです。
着色料として代表的なものをみていきましょう。最初にご紹介するのが『○色○○号』と呼ばれる食用タール色素についてです。
エリスロシン(赤色3号)
エリスロシンは、通称『赤色3号』とも呼ばれ、タール色素に分類される合成着色料の一種です(タール色素とは、石油からコールタールを作るときにできる芳香族化合物と呼ばれるものを原料に合成される色素のことをいいます)。
エリスロシンは熱に強く、タンパク質と結合しやすいという特徴を持っています。そのため、ドッグフードを加熱調理する際にも効果が損なわれず重宝されています。
日本では、福神漬け、かまぼこ、サクランボ、焼き菓子、和菓子、洋菓子などで食品を赤く着色する際に使われることが多くありますが、ラットを使った動物実験では、甲状腺腺腫の明らかな増加や赤血球数の減少が認められ、発がん性リスクが指摘されています。
そのため、アメリカやドイツ、ポーランドなどでは食品への使用が禁止されています。
アルラレッドAC(赤色40号)
アルラレッドACは通称『赤色40号』と呼ばれ、エルスロシン(赤色3号)と同様に、タール色素に分類される合成着色料です。日本では、清涼飲料水やお菓子(ガム、キャンディーなど)に着色料として使われています。また、酸化や還元に弱いという特徴を持ち、さまざまなアレルギーの原因になるとも言われており、注意が必要です。
ニューコクシン(赤色102号)
ニューコクシンは、通称『赤色102号』と呼ばれ、エルスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号)と同じくタール色素に分類される合成着色料です。前記赤色3号は、酸性下では、効果が失われ無色透明になってしまうという特徴をもっています。そのため、酸性の飲料や、飴などの菓子には使用することができません。そのためニューコクシン(赤色102号)は赤色3号と併用されることが多く、お菓子や漬物、ソーセージなどの着色に使用されています。しかし、アレルギー性や発がん性を指摘する声もあり、カナダやアメリカ、ベルギーなど食品への使用を禁止している国もあります。
ローズベンガル(赤色105号)
ローズベンガルは、通称『赤色105号』と呼ばれ、タール色素に分類される合成着色料の一種です。日本ではソーセージやお菓子、練り物、みつまめ、寒天などを赤く着色する際に使用されています。発がん性や染色体異常の危険性が指摘されており、ラットを使った実験では、一定量以上を摂取することで肝臓や腎臓に悪影響を及ぼすことが確認されています。
インジゴカルミン(青色2号)
インジゴカルミンは通称『青色1号』と呼ばれ、タール色素に分類される合成着色料の一種で、食品を青色に着色する際に用いられます。日本では、食用としてアイスクリームやチョコレートや和菓子などに使用されていますが、一定量を超えて摂取することで、発がん性や痙攣(けいれん)を引き起こすリスクを持つとの指摘もあり、注意が必要です。
甘味料にも健康によくない成分が・・・
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一般的に、「甘みはうまみのもと」だともいわれ、ドッグフードにもワンちゃんの食いつきを良くするために、さまざまな甘味料が使われている場合があります。
例えば、はちみつなどの天然由来の成分ならばよいのですが、中には、健康のことを考えるとあまり好ましくない人工の甘味料が使用されている場合もあります。
健康への影響が心配される甘味料について具体的に見ていきましょう。
キシリトール
キシリトールは、低カロリーで、歯にもよい甘味料としてガムなどに使用されています。人間にとっては何の問題もない甘味料ですが、実は、犬にとってはネギ類などと並び、絶対に与えてはいけない危険な食品の一つとされています。たとえ少量であっても、血糖値が低下し、嘔吐(おうと)や呼吸困難、腎不全(じんふぜん)などを引き起こす恐れがあります。
ドッグフードに使われていることはないと思われますが、万が一使用が認められる場合には、速やかに使用を中止してください。また人間用のガムなどは犬に与えてはいけない食べ物同様、間違えて食べてしまわないように注意をしましょう。
グリシリジン・アンモニエート
グリシリジン・アンモニエートは、食いつきを良くするためにドッグフードに使われる甘味料の一種です。人間が食べる食材にもさまざまな甘味料が使われていますが、グリシリジン・アンモニエートが人間の食品に使われることはありません。安全性が確認できないことがその主な理由ですが、その安全性に不安がある甘味料が、ドッグフードには当たり前のように使われているのですから思わずゾッとします。飼い主が食べられないものをワンちゃんに与えるべきではありません。
コーンシロップ
コーンシロップは、潤滑剤(じゅんかつざい)としても知られており、ドッグフードに粘り気と弾力性をもたらします。名前からは特に健康に悪影響を与えるようには思えませんが、この甘味料は、与え続けることで犬のすい臓や副腎(ふくじん)に悪影響を与え、糖尿病などを引き起こすことも懸念されている成分です。
ビートパルプ
ビートパルプとは、甜菜(てんさい)、別名『砂糖大根』から砂糖を取り除いた後に残ったものです。いわゆる残りカスですが、ビートパルプ自体にわずかに糖分が残っているため、甘味料として使われることがあります。また、ビートパルプは安価で手に入り、繊維質であることから、安価なドッグフードでは、いわゆる「かさ増し」の目的で使用されている場合もあります。ただし、ビートパルプには犬にとって必要な栄養素はほとんど含まれておらず、食べ過ぎると便秘になるおそれもあります。
その他にもある危険な添加物
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは、またの名を『亜硝酸塩』や『亜硝酸ソーダ』などとも呼ばれ、肉の保存料として用いられます。また、肉の黒ずみを防ぐとともに鮮やかな赤色に発色させるための着色剤としての役割も兼ね備えています。ただし、亜硝酸ナトリウムは、肉に含まれるアミンという物質と反応して、ニトロアミンと呼ばれる発がん性物質をつくりだすとされています。発がん性が指摘される物質は他にも数多くありますが、その中でも、このニトロアミンは、とりわけ強い発がん性があるものとして知られており、犬に与えるべきではありません。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは、例えば、マーガリンやジャムの保存料として利用されるなど、私たち人間の利用する多くの食品で、品質保持のために一般的に利用されています。
カビや雑菌の繁殖を防ぐはたらきもあり、食品の保存に大きな役割を果たすソルビン酸カリウムですが、前記「亜硝酸カリウム」と反応することで発がん性物質を発生させるおそれがあるなどの危険性を指摘する声もあります。
プロピレングリコール
プロピレングリコールは、主に、食品の保湿剤として使用されています。ドッグフードでは、特にモイストタイプや半生タイプのもので食品を湿潤に保つために使用されることが多いようです。
また、プロピレングリコールは防カビ剤、防腐剤としての働きにも優れていることから、洗剤や化粧品、人間用の食材では、麺類やおにぎりなどにも使用されています。ただし、強い毒性をもつ物質であるため、その使用量は厳しく制限されています。
もし、わんちゃんがプロピレングリコールを大量に摂取した場合、アレルギー反応や腸閉塞などを引き起こすなど、健康にとってさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
ここまで、ドッグフードや犬用おやつなどに含まれる犬の健康にとってよくない添加物についてみてきました。
「形がいびつで不揃い・・・」
「色が一粒一粒で違う・・・」
均一さや、統一感を好むことの多い日本の消費者にとってちょっと気になるこれらのことが、実は、着色料や、香料、保存料などの余計な添加物を使っていないこだわりの証だったりします。また、健康への悪影響が懸念されるこれらの添加物は、人間の食材に使用する場合は、使用してよい量の上限が厳しく規制されているため、直接的に健康への被害を及ぼす危険性はそれほど大きくはありません。
それに対して、ドッグフードに関しての添加物の規制基準は、人間のものと比べ、まだまだ曖昧で未整備だといわざるをえないのが現状です。
発色の鮮やかさなど、フードの見栄えの良さ、あるいは、日持ちする便利さなどは一見すると魅力的に映りますが、中にはそれに見合わないほどの健康へのリスクをかかえた危険なドッグフードが存在するという事実を見逃してはなりません。
ワンちゃんが病気にかからず、健康に過ごしてもらうためにも、まずは、本当の意味で愛犬の体に良い無添加・無着色のドッグフードや無添加・無着色の犬用おやつを選ぶべきだと考えます。
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