【犬の病気】内分泌の疾患

ドッグフード・犬の病気【内分泌の疾患】甲状腺機能低下症

 

  甲状腺機能低下症は、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが  
  欠乏することで起こる病気です。

  甲状腺は、首の前側、 
  甲状軟骨(人でいうのどぼとけ)のすぐ下にある臓器で、
  気管を挟んで左右に1個ずつ存在しています。

甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にする働きを持っています。
具体的には、エネルギーの産生、蛋白や酵素の合成、炭水化物や脂質の代謝などがあります。
甲状腺機能低下症になると、新陳代謝が落ちることによってさまざまな症状が現れます。

ここでは「甲状腺機能低下症」について説明をします。
ご参考になれば幸いです。

概要

甲状腺機能低下症とは身体の代謝を活発にする働きを持つ甲状腺ホルモン(のどにすぐ下にある甲状腺から分泌される)の分泌量が少なくなる病気です。

この病気の95%は甲状腺が炎症を起こし、どんどん小さくなっていき(萎縮)、必要な量の甲状腺ホルモンが出せなくなり発症します。

原因としては、本来体内の異物を攻撃する免疫系が暴走し、なぜか自分自身の甲状腺を異物と判断して攻撃してしまうことよって炎症が起こり、甲状腺ホルモンの機能が低下してしまうことがあります。そのほか、甲状腺の腫瘍が原因となっていることもあります。老齢になってから発症することがほとんどです。

またクッシング症候群などのほかの病気が甲状腺ホルモンの働きを阻害し、同じような症状を引き起こすこともあります。

症状

甲状腺ホルモンは代謝を活発にするホルモン、つまり元気の源のホルモンです。甲状腺ホルモンの出が悪くなると、元気がなくなり、体温が下がりブルブル震えが起きる、食欲がないのに体重が増加する、毛艶がなくなりゴワゴワした毛になりフケが多くなり、皮膚が黒ずんで厚くなる、などの症状が現れます。

甲状腺ホルモンの低下によって毛の新陣代謝が滞るために、四肢や首、耳、胸元、お腹、尻尾などで左右対称の脱毛が見られるようになります。さらに、皮膚の真皮層にむくみがでるのでまぶたや口元が下がり、なんとなく悲しげな表情に見えることがあります。

このほか、心拍数や血圧が低下し、貧血や血液中のコレステロール値が高くなります。重篤になると頭が傾いて眼振したり、意識障害を起こす場合もあります。

甲状腺機能低下症の原因

犬の甲状腺機能低下症の原因は、90%以上が甲状腺組織の破壊による原発性甲状腺機能低下症です。自分の組織を自分で破壊してしまうリンパ球性甲状腺炎や、原因不明の甲状腺萎縮によって起こります。

先天的な甲状腺機能低下症や、甲状腺の腫瘍、下垂体や視床下部(脳にある、甲状腺を刺激するホルモンを出す臓器)の腫瘍や外傷などが原因となることもありますが、非常にまれです。

対象

発症する年齢は中年齢以降

犬種で言うと、

・アフガン・ハウンド、
・アメリカン・コッカー・スパニエル、
・シベリアン・ハスキー、
・ドーベルマン、
・ゴールデン・レトリーバー、
・ラブラドール・レトリーバー、
・コリー、
・シェットランド・シープドッグ、
・柴犬、
・ダックスフンド、
・プードル、
・ミニチュア・シュナウザー、

といった中・大型犬に多く発症します。

予防、治療

予防法は特にありませんので、好発犬種は定期的な健康診断で甲状腺ホルモン濃度を測定することで早期発見、早期治療を心がけましょう。

治療としては、体内で不足している甲状腺ホルモンを人工の甲状腺ホルモン製剤を投与することで正常なホルモン濃度まで高めます。根治療法ではありませんが、これによって症状を改善し良好に維持することができます。

甲状腺機能低下症の治療は、ほかの病気が原因で起こるものを除けば、生涯にわたって投薬を続ける必要があります。不足したホルモンを補う治療なので投薬を中断すると甲状腺機能低下症にもどってしまいます。

まとめ

甲状腺機能低下症は、適切に診断や治療が行われれば予後は良好な病気です。愛犬が高齢になると、元気がなかったり、歩きたがらなかったりしても「年のせいかな?」と様子を見てしまいがちですが、実は甲状腺機能低下症になっている可能性があります。定期的に病院で診察を受け、気になる症状があれば相談しましょう。


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