今回は、療法食の目的や種類、選ぶ(与える)際の注意点を解説します。
また、療法食を食べないときの対処法や切り替え方もご説明しますので、ご参考になればうれしいです。
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療法食とは?
療養食とはなに?
犬が病気になってしまったら、症状に応じて特定の栄養素を増やしたり減らしたりするなどして、それまでと食事の内容を変える必要が出てくることがあります。
また、治療のために食事管理が欠かせない病気もあります。
しかし、飼い主さんが愛犬の病気に合わせた食事を毎日手作りするのは、かなりの負担となりますし、栄養バランスを整えた食事を作るのはほとんど不可能と言えます。
飼い主さんの負担を減らし、正しく栄養バランスをコントロールするために、病気の種類や症状に合わせたさまざまな療法食が用意されています。
健康な犬のごはんには「総合栄養食」のドッグフードが基本です
総合栄養食とは、適量の新鮮な水とともに与えていれば必要な栄養素を摂取できるように、栄養バランスが整えられたドッグフードで、年齢などに合わせて、栄養基準が設けられています。
総合栄養食とは、「犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで、指定された成長段階における健康を維持できるような、栄養素的にバランスのとれた製品」をいいます(一般社団法人ペットフード協会HPより)。
つまり、それと水だけでワンちゃん・猫ちゃんが健康を維持することができるドッグフードもしくはキャットフードのことです。
その栄養基準のガイドラインは「米国飼料検査官協会」(通称AAFCO/アアフコ)やNRC(米国科学アカデミーの学術会議)が提示しています。
AAFCOの基準はアメリカ国内だけでなく、世界の多くの国でペットフードの栄養基準の表示の根拠とされていて、日本でもAAFCOの栄養基準を採用しています。
なお、AAFCOは栄養基準の指針を提供する団体であり、認定や承認などペットフードの合否判定を行うことはありません。
ドッグフード・間食
間食とは、おやつ、スナックといわれるペットフード。ペットとのコミュニケーションや、食事を楽しむためのひとつとして使用されます。
あくまでおやつのため、多く与えれば栄養バランスが崩れ肥満や病気の原因になるため、給与量を守って与えましょう。だいたい一日の必要なエネルギー量の20%以下までとされています。
ドッグフード・その他の目的食
その他の目的食とは、特定の栄養素やエネルギー補給のためのペットフードです。以下の項目などの利用目的を併記する必要があります。
- 一般食(おかずタイプ)
- 一般食(総合栄養食と一緒に与えてください)
- 栄養補完食
- カロリー補給食
- 副食
- サプリメント
比較的わかりにくい項目ですが、ふりかけやサプリメントがその他の目的食に当たります。
療法食の主な種類とは?
消化器疾患の療法食とは?
消化器疾患の療法食には、主に次のようなものに配慮されています。
・高消化率(低脂肪を含む)
・食物アレルギーの配慮
・高食物繊維
これらのものを使い分けていきますが、症状や病気によって与えるタイプが異なるので、与える際は注意が必要です。
アレルギー疾患の療法食とは?
食物アレルギーの療法食には、体がアレルゲンと認識できないほどに加水分解したたんぱく質や、これまでに食べたことのないたんぱく質などが使用されています。
また、療法食を与えるときは、獣医師の許可があるまでほかの食べ物を一切与えないのが重要です。
腎臓疾患の療法食とは?
心臓疾患の療法食とは?
ただし、心臓疾患の進行度合いや使用する薬の種類によって適切なナトリウム量は異なるため、自分で判断せずに必ず獣医師に相談して下さい。
尿路結石症の療養食とは?
また、療法食を与えている間は、ほかの食べ物を与えないよう注意します。
どの療法食も、また、メーカーによって成分やその割合などに違いがあります。また、疾患の状態などによって、栄養管理の内容が変更されることもあるのです。
自己判断せず、獣医師の指示に従いながら、適切に与えます。
療法食を選ぶ際の注意点とは
そのため、「愛犬の胃腸の調子が悪いから」「ちょっと太ってきたから」など、飼い主さんの自己判断で与えないでください。
また、療法食の中には、短期間の治療に用いるために、極端な栄養バランスに調整されたものもありますし、愛犬の状態も変わってきますのでそれに応じて療法食の変更が必要となる場合もあります。
継続して使用する場合も、定期的に獣医師の診察を受けることが大切です。
療法食は、獣医師の指導のもと用いるドッグフードということを理解しましょう。
「機能性ドッグフード」は療法食ではありません
「○○に配慮」「○○の健康」などと書かれたドッグフードを「機能性ドッグフード」といいます。
なんとなく療法食と似ているため、代用できると思っている飼い主さんもいるかもしれませんが、機能性フードは病気の治療や予防を目的としたものではないため、代用できません。
機能性ドッグフードは、健康を維持していく上で、気になるポイントに応じて、栄養素などに配慮したものです。
つまり、そのドッグフードによって病期の治療や食事療法を目的としたものではありません。
むしろ与え方を間違えると、病気が進行してしまうこともあるので、機能性ドッグフードはあくまでも栄養面でのサポートとして考えるようにしてください。
療法食を食べてくれないときの対処法
愛犬が療法食を食べてくれないと悩んでいる飼い主さんも多いようです。ここでは、療法食を食べないときの対処法についてご紹介します。
切り替え方を工夫する
とくにシニア期の腎臓病や心臓病の場合は、獣医師の指導のもと、ゆっくりと時間をかけて切り替えることが大切です。
4つのテクニックを試してみる
ゆっくり切り替えても食べない場合は、獣医師に許可を得て、以下のような方法を試して徐々に新しい食事に移行していきます。
病気や使用する療法食にもよりますが、一般的には移行期間は少なくても7日かけてください。
中には食事の切り替えに抵抗を示し、3~4週間以上かかる場合もあります。
それまでの食事と新しい食事を混ぜ、時間をかけて新しい食事の割合を増やしていく方法が一般的ですが、他の選択肢としては新旧両方の食事を隣りあわせの食器に入れて与えるという二皿給餌法もあります。
・温める
ドライフードでも電子レンジで温めることができます。電子レンジなどで40℃程度に温めてみましょう。風味が増して、食欲をそそることがあります。
・お湯で柔らかくする
お湯でふやかしてやわらかくすること食べやすくなることがあります。
・匂いだけを変えてみる
ティーバッグの袋のようなものにかつお節などを入れて、それをフードの袋に入れておくと、フードの成分を変えずに匂いだけを変えることができます。
・無理せず少しずつ
食欲が落ちているのなら、少しずつ回数を分けて与えるのでも問題ありません。ゆっくり食べさせてあげましょう。
器を変えてみるというのもひとつの方法です。 また、飼い主さんが笑顔で療法食を与え、食べたらほめてあげる、ということも 実は意外と大切なこと。 愛犬は飼い主さんの笑顔、楽しそうな姿を見るのが大好きなので うまくいくこともあるのではないでしょうか。
「しつけのプロ」のチカラを借りるのもアリだと思います
これまで紹介した方法を試してみても、なかなかいうことを聞いてくれない・・・そんな時は、犬のしつけのプロフェッショナルのチカラを借りるというのもひとつの方法です。
最近では、動物病院でもしつけ教室を行っているところが増えています。
大切なのは、「犬がプロのいうことを聞くようになること」ではありません。
「犬が飼い主と信頼関係を築けるようになること」です。そのため、プロのアドバイスを受けながら、飼い主自身がしつけていけるような方法をおススメします。
関連記事:最強の「犬社会化トレーニング方法」はどうするの?ポイントは?
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まとめ
ここでは、「療法食とは?、療法食の種類は?、食べない時どうする?」等について判りやすくまとめてみました。ご心配な点や不明な点は、解決できましたか?
お宅のワンちゃんの「療養食」の問題解決のご参考にして下さい。
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愛犬の健康を守ることができるのは飼い主さんだけです。
正しい知識を持って、毎日の愛犬の生活にお役立ててください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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