大型犬は、散歩や普段の世話が大変だったり
引っ張る力が強かったりと、
犬の飼育の中でも独特の難しさがあります。
そして、ドッグフードの与え方や選び方に関しても、飼い主は大型犬ならではの注意点に気を付けなくてはいけません。
今回は、大型犬向けのドッグフードの選び方を説明します。ドッグフードの与え方の基本や困ったときの対策もチェックしていただけるので、大型犬の飼育を検討している方や今大型犬のドッグフードの与え方に困っている方は、ぜひ参考になさってください。
ドックフードの選び方!大型犬ならではの注意点
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大型犬のドッグフードを選ぶときには、小型犬や中型犬とは異なるポイントがあります。
愛犬の健康維持のためには必ず押さえておきたいポイントなので、大型犬を飼育される方は必ず押さえておきましょう。
充分なタンパク質が必要・・・です。
体を動かす筋肉のもととなる成分は、たんぱく質です。
たんぱく質は、体温を調節したり皮膚を日光から守る被毛を健康に保ったりするためにも重要な栄養素です。
大型犬は体のサイズが大きいため、小型犬よりも多くのたんぱく質を必要とします。
そして、量だけではなく良質なたんぱく質を摂取することも大切です。
良質なたんぱく質を十分に摂取するためには、良質なお肉やお魚を主原料としたドッグフードを、適量与えることが大切です。
ただし・・・『高たんぱく過ぎない』フードがおススメ・・・です。
大型犬はタンパク質が高すぎると、消化しきれず柔便になります。その為、大型犬のフードはたんぱく質が25~28%前後で探すと良いでしょう。成犬時は25%程度、子犬やシニア期は28%程度で探してあげると良いでしょう。
家禽ミールよりも小麦グルテン(たんぱく質)の方が消化に良いとしていますが、家禽ミールは骨を含む場合もあります。骨の有無によって消化率も変わるので、一概に小麦由来のグルテンの方が消化に良いとは言えません。
小麦を使っている場合は、デンプンを含む「小麦」よりも、小麦のたんぱく質のみを抽出した「小麦グルテン」を使ったフードの方が消化に良いことが分かります。また、小麦は小麦は穀物の中でも食物アレルギーの原因になり易いです。食物アレルギーが原因で下痢や軟便になる可能性もあるので注意が必要です。
骨・関節の健康へのケアをしている・・・こと
大型犬は、ひざや関節に負担がかかりやすいという特徴があります。
大型犬のドッグフードを選ぶ際は、関節サポート成分が含まれているものがオススメです。小型~中型犬種に比べて、大型犬種では関節にかかる負担が大きい為です。
特に多い病気として「股関節形成不全」があります。これは大型よりも超大型の方が好発し、生後60日の間に急激に体が大きくなり、関節への負担が大きいためと考えられています。
そのまま放置しておくと歩行が困難になったり痛みが強くなったりするため、早期の対策が必要です。
有効な対策は、関節サポート成分入りがおススメです。
ドッグフードでこれらのケアをする場合は、グルコサミンやコンドロイチン硫酸などの成分が望ましいと言われています。
・グルコサミン/コンドロイチン硫酸・・・どちらも関節軟骨成分の成分であり、ひざや関節の痛みに対して改善の報告がされている成分です。
程度のひどい場合には、動物病院で相談をしたりサプリメントを検討したりしましょう。
内臓へのケア・・・は?
大型犬の内臓ケアの具体的対策は、高たんぱく・高脂肪を避けることです。
その理由は、体重過多を防ぐためです。
大型犬にとって太ることは足腰へ負担が増えますから、日ごろからきちんとライフスタイルに合わせてカロリーをコントロールし、その上で体重管理をすることが大切になります。
一般的に、ドッグフードは高たんぱく・低脂肪が望ましいとされます。
小型犬種と比べて大型犬種は、体も大きいのでより多くのエネルギーが必要と思いますが、体表面積あたりの発熱量は小型犬種の方が高く、体重1kg辺りが必要とするエネルギー量は小型犬の方が多いのです。
また、大型犬は小型犬・中型犬に比べると1日の消費カロリーが少なめなので、カロリーが高すぎないドッグフードにしましょう。
また、胸部の深い大型犬(秋田犬、レトリバー、ドーベルマン、ボクサー、ジャーマンシェパードなど)は、胃がガスで膨れ上がる胃拡張や、胃がねじれる胃捻転を発症しやすい傾向にあります。
これらを防ぐには、食事の改善があり、1回の食事量に気を付けること、早食いさせないこと、食後すぐに運動させないことなどがあります。
成長期の長さに注意
大型犬は、小型犬・中型犬よりも成長期が長く、犬種によっては2歳頃まで続きます(小型犬の場合は6~9ヵ月程度)。
成長期とは、生まれてから成長がストップするまでの期間のことです。
成長期は、体が大きくなったり体の機能が発達したりするため、たくさんの栄養を摂取する必要があります。
成長期には成長期用のフードを与えて、成長をしっかりと促進しましょう。
成長期の期間は犬種によって異なるため、ご自身の飼い犬の成長期が生後何ヵ月ごろまでなのかを、あらかじめリサーチしておくことも必要です。
大型犬のドックフードに関する疑問
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大型犬を飼っている飼い主さんの多くが、さまざまな疑問を感じながら愛犬にドッグフードを与えています。
まとめ買いはOK?・・・なの?
ドッグフードの費用を軽減するために、まとめ買いをする方がいます。
OKか否かの判断ポイントは、使い切れるかどうかです。
複数飼育をしている場合、ドッグフードの消費量が2~3倍になるので、まとめ買いで食費を押さえるのはとても有効な手段です。
しかし、使用期限が過ぎてしまったり開封後に時間が経過したりすると、ドッグフードは酸化などにより劣化を招いたりすることがあります。
もし、まとめ買いをするのであれば、購入前に使用期限を確認し、1日の消費量を確認したうえで購入しましょう。
ドックフードは定期的に変更するの?
「同じドッグフードを与え続けるのは、愛犬がかわいそうなのでは?」といった考え方をもつ、とても優しい飼い主さんもいます。
しかし、ドッグフードに関しては、ドッグフードへの食いつきが悪くならない限りは同じドッグフードを続けるのが一般的です。
愛犬が気に入っているドッグフードの場合、他のドッグフードを食べたがらないことの方が多いでしょう。
したがって、栄養バランスが取れており、愛犬が好んで食べるドッグフードを継続的に与えるようにしてください。
ただし、栄養バランスのよくないドッグフードや人工的な添加物が多く含まれているドッグフードを与え続けていると、栄養の偏りや添加物の摂取過多によって体調を悪くしてしまうリスクもあります。
バランスが取れたドッグフードを選ぶことが極めて重要です。
小型犬と同じドックフードを餌に与えても・・・良い?
特に複数飼育をしている飼い主さんに多いのが、以下の質問です。
「小型犬や中型犬と同じドッグフードを与えても問題ないの?」
小型犬と大型犬を一緒に飼っている方にとって、それぞれドッグフードを分けるのは大変なことだと思いますが、大型犬には大型犬用のドッグフードを与えるようにしてください。
その理由は、以下の2点です。
- 小型犬用のドッグフードは粒の小さなものが多く、大型犬に適していないため
- 小型犬と大型犬とでは、必要な栄養バランスが異なっており、体調不良につながるケースがあるため
同じドッグフードでも、犬種や用途によって作られている点を理解しましょう。
大型犬のドッグフードの食事量や回数は?
ドッグフードは、選び方だけでなく与え方も大切です。
肥満・空腹・栄養不足などを防ぐための
ドッグフードの与え方を押さえておきましょう。
食事量・必要カロリーは?
ドッグフードの食事量をチェックする際に、とてもわかりやすいのはドッグフードのパッケージに記載されている「食事量」です。
ただし、パッケージの情報だけでは本当に表示が正しいのかについて不満に思う方もいらっしゃるかもしれません。
「体重が増えているような気がする」
「フードの量が適正なのかどうかわからない」
などの不安を感じた方は、定期的に体重を測って、体重が増加していないか確認するようにします。
食事回数は1日に2回が基本・・・です。
成犬の場合は、大型犬であっても1日に2回が基本です。
1度に食べられる量が少ない子犬や成犬の場合は、1日3回以上になることもあります。
ドッグフードを1日に2回与える場合、朝と夜にできるだけ食間の間隔が同じくらいになるようにしましょう(AM8時・PM8時など)。
食事の回数を増やす時期の目安は、7歳以降です。
ごはんを食べる量が減ってきたら、1回のドッグフードの量を減らして回数を増やすように変更しましょう。
ドッグフードの大きさ
ドッグフード(ドライフード)の場合、やや粒の大き目のものがオススメです。
その理由は、以下の3点です。
- 粒が小さいものを与えると、噛まないで丸呑みしてしまって喉に詰まらせる可能性があるため
- しっかりと噛んで食べることを習慣づけて、あごの力を鍛えるため
- 早食い防止になる
老化や歯茎の病気などで噛む力が弱くなっている時には、ウェットフードを使ったり、ドライフードをふやかしたりするなどの工夫をしましょう。
大型犬がドックフードを食べない時・・・どうする?
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ドッグフードへの食いつきが悪くなってしまったときには、どのように対策を取ればよいでしょうか?
考えられる方法はさまざまですが、この章では特に代表的なポイントを4点ご案内します。
カロリーを意識する
老犬は、食の量が細くなります。
健康を維持するためには、少ない食事量でも十分に必要なカロリーを摂取できる高カロリー食を選んだ方がよいケースもあります。
特に大型犬の場合は、必要なカロリー量が多いため、細心の注意を払いましょう。
食事量が細くなってきた老犬に対しては、食事の回数を増やしてこまめに分けることも大切です。
ただし、しっかりと自分で食事ができる場合には、老犬であっても低カロリーへの意識が重要です。
老犬の体重の変化を日々チェックしながら、判断するようにしましょう。
また、たんぱく質やミネラルなどのそのほかの栄養素をバランスよく摂取することも重要なので、信用できるドッグフードを選びましょう。
姿勢に注意・・・して!
大型犬にとっては、ドッグフードを食べるときの姿勢も大切です。
特に、歳を取ったりケガ・病気を患ったりしている犬の場合は、なおさら飼い主さんが愛犬の姿勢を意識しなくてはなりません。
体に負担をかけずに食事をとれるようにするための工夫の具体例は、以下のとおりです。
- 愛犬の首くらいの高さの台に食器を載せて、食事のときに首を下ろさなくても食べられるようにする
- 食器を飼い主さんがもって、食事のときに口元までもっていく
- 犬が食器に口を入れやすいように、斜めの形状の食器を使用する
悪い姿勢で食べ続けると、将来の関節痛などにつながることもあるため、食欲が旺盛であったとしてもこれらの工夫に取り組むことはとても効果があります。
早食い防止の工夫をする
早食いには、以下のデメリットがあります。
- フードがのどに詰まって、誤嚥性肺炎や窒息を起こしてしまう
- 胃拡張、胃捻転を起こして嘔吐や消化不良を起こすリスクにつながる
- 歯周病になりやすくなる
早食い防止のための最も代表的な工夫は、早食い防止用の食器による対策です。
口の狭いものや隆起や凸凹のある食器を使用することで、口の中に一度に大量のドッグフードを入れるのを予防できます。
大型犬の場合は、食事の際のインパクトが強くなる傾向があるため、安定感のある食器を選びましょう。
食器以外の対策としては、ドッグフードの粒のサイズを大きくしたり、ドッグフードをふやかして1回の食事量を減らすなどの対策もあります。
困った時は専門家に・・・相談する
大型犬に限ったことではありませんが、犬を飼っているとわからないことが次から次へと登場します。
大型犬は、小型犬や中型犬と比べて飼育が難しい傾向にあるため、なおさら迷う場面が多いかもしれません。
そのようなときに飼い主さんが一人で悩むのはあまり得策ではありません。
専門家である動物病院に相談しましょう。
今回の記事は、大型犬の食事の選び方や与え方についての内容でしたが、フードの与え方や選び方などあらゆることが相談できるので、不安を感じられたときにはぜひ迷わずに獣医師の先生に相談してください。
大型犬向けのドッグフードでよくある質問Q&A
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大型犬に合うドッグフードを探している方からの質問なので、ぜひ参考にしてみて下さい。
Q 1.大型犬の子犬にはどれくらいドックフードをあげたら好い?
あげるドッグフードによって異なります。まずは、ドッグフードのパッケージに「給餌量」や「目安量」の記載があるので、それを参考にあげてみましょう。
食べきってまだ欲しがる場合、うんちの状態をチェックして下さい。食べすぎると下痢や軟便になるので、うんちの状態を見ながら5~10gずつ量を調節していくとその子にあった量になります。
大型犬は股関節形成不全を発症し易く、子犬期の肥満なども原因の一つです。太らせすぎには注意して下さい。体型については「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」を参考にするよ良いでしょう。
Q 2. ラブラドールレトリバー専用と大型犬用のドッグフード・・・どっちが良い?
「総合栄養食」と書かれていれば、どちらでも問題ありません。犬種専用フードについては、飼い主が選びやすいように商品展開しているだけで、それほど大きな違いはありません。
愛犬の食いつきやうんちの状態、使われている食材の品質、肉と穀物の割合、添加物の有無など総合的に合うものを見つけてあげましょう。
Q3.大型犬は子犬用(パピー)から成犬用にフードを切り替えるのはいつ?
理想としては1歳以降ですが、厳密に生後〇カ月からというのはありません。例えば、一般的なラブラドールであれば、食いしん坊な子が多くて太り易いです。その為、避妊去勢手術のタイミングなど、早めに(生後5~6カ月)成犬用に切り替える人もいます。
子犬用(パピー用)はカルシウムが高めに作られています。子犬期にカルシウム不足は問題ですが、太り過ぎも関節疾患の原因になります。その為、量を減らせるのであれば子犬用フードで適正体型を維持できた方が良いです。または、他の子犬用フードでカロリーが控えめなものを探しても良いでしょう。
逆に、小食で2歳になっても子犬用をあげるケースもあるので、あまり「月齢や年齢」を気にする必要はありません。その子の食欲や体型、成長具合を見ながら切り替えます。初めてで分からない方は、かかりつけの獣医に相談すると良いです。
Q4. 大型犬はいつから「シニア用ドッグフード」に代えたら良い?
一般的に、大型犬は6~7歳が中年期(太り易い時期)、8歳以降がシニア期と言われています。ですがQ3と同じで厳密に〇歳からシニア用に変えた方が良いということはありません。
人間も同じですが、同じ60歳の人でも若く見える人と老いて見える方がいますよね?犬も同じで、老化のスピードには個体差があります。シニア用フードと言っても、メーカーによって
カロリーが高いものもあれば、低いものもあります。また、関節サポート成分を配合したものなどがあります。
「総合栄養食」と書かれていれば、何歳になろうがシニア用でなくてはいけない理由はありません。気にし過ぎなくいて大丈夫です。
Q5. 大型犬の月の食費はどのくらい?
フードによって100g辺りのカロリーが変わるので給餌量も変わります。子犬の内は食費がかかりますが、シニア期に入ると食べる量も減ります。生涯の平均だと月に1万円以下という方が多い様です。
ただ、安く済まそうと思えば月5,000円以下にすることもできますし、こだわれば月15,000円程になるフードもあります。アレルギーや食いつき、うんちの状態などによってフードを変えたりしないといけないケースもあるので、あくまで参考程度になさって下さい。
まとめ
大型犬には、小型犬や中型犬とは異なる固有の特徴があります。
愛犬が長く元気で過ごせるようにするには、飼い主さんも細やかな点に気を配らなくてはなりません。
関節・骨への配慮や内臓の負担ケアは、特に大型犬の健康に直結します。
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