愛犬と一緒のアウトドアは本当に楽しいですよね。
お水が大好きなワンコが海や川にダイブしてはしゃぐ姿は、見ていて飽きることがありません。
水遊びの好き嫌いは犬種によっても大きく異なりますが、水遊びが好きなわんこは本当に大好きですよね。でも、水遊びには実は大きな危険があること、ご存知ですか?
ここでは、「楽しい水遊びが引き起こす危険性もある水中毒」等について判りやすくまとめてみました。
犬が溺れた原因は何だったのか?
愛犬を湖や川で遊ばせていたら、溺れてしまった――。
もしもそんな事態が起きたとしたら、その原因はなんだと思いますか?
足がつって泳げなくなった?
鼻から水が入って息ができなくなった?
犬が溺れた原因は、おそらく上記のような理由ではありません。
考えられる原因は、「水中毒」です。
水中毒といっても、水に含まれているなにがしかの成分によって中毒が引き起こされるわけではありません。
私たち人間も毎日普通に飲んでいる「水」そのものが、水中毒を引き起こしてしまうことがあるのです。
犬の水遊び中に起きた悲劇
数年前アメリカのFacebookに投稿された、一匹のわんちゃんを襲った、とある悲劇についての記事が、8万回近くシェアされました。
シュナウザーの「〇〇君」は、飼い主の家族と水遊びを楽しんでいたそうです。 湖に投げた木の棒を取ってくる等、1時間ほど元気に水遊びを楽しんでいたワンちゃんは、湖から上がった直後に突然体調を崩し、意識を失ってしまったそうです。 飼い主家族は慌ててワンちゃんを動物病院に運び込みましたが時既に遅く、命を落としてしまったそうです。 まだ2歳と若く、健康だった「〇〇君」の命を奪ってしまった原因はなんだったのでしょう??
謎の死の原因は?
実は、この時ハンツ君を死に至らせた原因は「水中毒」と呼ばれる病気でした。そして、この病気は私たちの身の回りでも簡単に起こりえる病気のようです。
犬の水中毒とは?
あまり聞き慣れないかもしれませんが、水中毒とは、多量の水を摂取することによって起こる症状で、低ナトリウム血症とも呼ばれます。ワンちゃんだけではなく、人間にも起こる症状です。
なんと、アメリカでは年間20万頭以上のワンちゃんが、この水中毒により命を落としているといわれています。
「水中毒は、別名を『低ナトリウム血症』といいます。水を摂取しすぎると、低ナトリウム血症を起こす可能性があり、ミネラルバランスが大きく崩れることで神経(脳)・筋の細胞が正常に働けなくなってしまうのです」
水中毒は、水を短時間で大量に摂取することで起こるので、日常生活では特に気にすることなく水を与えて問題ありません。
起こりやすい場面としては、プールや川などでの水遊び後に多いです。水に顔をつけて遊び、興奮しやすいコだと水中毒になりやすい傾向にあるので、気をつける必要があります。
水中毒のメカニズムとは?
人間にしろ犬にしろ、「水」なしでは生きていくことができません。
しかし、それはあくまでも適量の水分が体に保持されているからであって、多ければ多いほどいいというものではないのです。
水分を短時間で大量に摂取した場合、血液中のナトリウム濃度は急激に低下し、それによって「低ナトリウム血症」を引き起こすことになります。
つまり、摂取した水分量が排泄量を上回ってしまうことです。
もちろん、体はなんとかして過剰な水分を排出しようと尿を放出するわけですが、排泄しきれなければ血液中のナトリウム濃度は低下したままであり、血液が水によって薄まった状態が続いてしまうのです。
その結果、体調に異変が生じてしまうのです。
水中毒に陥ると、以下のような症状が現れ、最悪は死に至ります。
・ふらふらして歩き方がおかしくなる。
・疲労で動けなくなる。
・体が痙攣している。
・腹部が膨れ上がっている。
・気力がなくなり、ぼんやりとしている。(虚脱)
・腹部が膨れ上がっている。
・いきなり大量の尿をまきちらす。
・大量のよだれを垂らしている。
・呼吸がおかしくなり、昏睡状態に陥る。
愛犬を水遊びさせている最中、もしくは水遊びをさせた後に上記のような症状がみられたとしたら、大量に摂取しすぎた水分によって水中毒を起こしている可能性がきわめて高いといえるます。
ご紹介したワンちゃんも、湖から上がった直後に疲れた様子を見せ、尿を垂れ流した後で、倒れ込んで昏睡状態に陥ってしまいました。
水中毒――すなわち低ナトリウム血症を引き起こした場合、重篤になれば昏睡や脳浮腫(脳に大量の水分が貯留した状態)によって死に至ります。
でも、そんなことは滅多に起きないはず、などと考えた飼い主さんは甘すぎる!
アメリカでは、年間になんと20万匹の犬が水中毒で命を落としています。
そして一昔前とは違い、いまは日本の犬たちも飼い主と一緒に海や山のレジャーに行く時代。
つまり、日本の犬たちも水遊びによる水中毒を引き起こす可能性は昔の比ではないのです。
水中毒の原因
原因はただ1つ、水の飲みすぎです。体重10kgのわんこでは、1日1リットル以上の水を摂取すると危険といわれています。
大量の水分摂取によって腎臓が持つ正常な水分排出能力を超えてしまうと、排出しきれなかった水分が血液中に侵出し、血液中のナトリウム濃度が低下してしまいます。
これにより、さまざまな症状が引き起こされるのです。
人間では、ダイエットに対する誤った認識等による意図的な多飲や、精神疾患も大きな原因とされていますが、ワンちゃんの場合には意図的に水をがぶがぶ飲み過ぎることは少ないですから、ほとんどが水遊びの最中に発症します。
意図的に飲んでいるわけではなくても、泳いでいるときや水と戯れて遊んでいるとき、ワンちゃんは予想以上に水を飲んでしまっているので、注意が必要です。
水中毒の治療法
水中毒の治療は、血液中のナトリウム濃度を適正値に戻す治療です。血液検査を行って血中ナトリウム濃度を測り、濃度の変化を見ながらナトリウムを注入していくことになります。
動物病院での処置になりますので、愛犬に水中毒の疑いがあった場合には自分で何とかしようとするのではなく、速やかに動物病院を受診してください。
水中毒の予防法
水中毒を予防するには、水の飲み過ぎを防ぐことしかありません。
水中毒に至るおおよその摂取量はわかっていますが、実際にどれだけの水を飲んでいるかは把握することはできませんから、特に水遊びが好きなワンちゃんは要注意です。
ワンちゃんに水遊びをさせる場合には、疲れるまで好きなだけ遊ばせるのではなく、こまめな休憩を挟んで遊ばせるようにしてください。
そして、水から上がったときのワンちゃんの様子には十分な注意を払うことも重要です。
こんな遊び方が愛犬を水中毒にする!
愛犬を海や川に連れていったからといって、それだけで水中毒を引き起こすわけではありません。
一番危ないのは、泳いだり水遊びをしている最中に、いつの間にか犬の口の中に水が流れ込んでしまうような状態です。
たとえば、木の棒やボールなどを水に向かって投げ入れ、愛犬に取ってこさせるような遊びをしているときです。
犬は大喜びで海や川、湖に飛び込んでいき、水面に浮かんだボールや木の棒をくわえようとします。
このときに、開いた犬の口から水が流れ込んでしまうのです。
もちろん、水中に潜る犬に関しても同じことがいえます。
では、泳がせなければ水中毒の危険性はなくなるのかといえば、そんなことはありません。
ホースから勢いよく出る水を捕まえようとして、夢中になって口をパクパクする犬っていますよね。
これも、飼い主が想像している以上に犬の口から胃の中へ水が流れ込んでいる可能性があります。
犬達にしてみれば、おそらく水を飲んでいるという感覚はないのでしょう。
しかし、無意識だからこそ、過剰な水分摂取につながってしまうのです。
愛犬を水中毒にさせない水遊びの仕方とは?
水中毒が怖いから、愛犬はとても水遊びが好きだけど、絶対に水遊びはさせない!
これでは、あまりにもドッグライフに潤いがありません。
そもそも、水遊びをさせたら、即、犬が水中毒になるわけではないんです。
危険性も考えずに水辺で遊ばせた結果が水中毒につながってしまうんですよね。
だからこそ、愛犬を水遊びによって水中毒にさせないために絶対に守るべきこと。
それは、「適度に遊ばせ、きちんと休憩をとらせること」これに尽きるのではないでしょうか。
水面に向かってボールを3回投げるごとに、きちんと休憩を挟んで休ませる。
これだけでも水中毒になる確率はぐんと下げられるはずなのです。
なぜなら、もしも体調になんらかの異変が生じ始めていた場合、休憩中の様子から水中毒を早期に発見しやすくなるからです。
もちろん、特に体調に問題がなさそうだとしても、ボール投げが10回を超えたらどれだけ犬が次を待っていたとしても、そこでボール投げ遊びは終了させるべきです。
普段の運動不足を解消させようと、いつもより長い時間遊ばせたくなる気持ちはわかりますが、疲労させすぎて体にいいことなんて一つもありません。
何事も「適度」が一番なのです。
愛犬の命を守ってあげられるのは飼い主だけ
万が一、水のレジャーにおいて愛犬が水中毒を引き起こしても、早期に発見できれば重症化させずに治療を受けることは可能です。
とはいえ、愛犬を連れてレジャーに繰り出す時期は、往々にして動物病院もお休みであることが多いんですよね。
だからこそ、体調の異変が起きないように遊ばせてあげるのは飼い主の務めです。
大切な愛犬の健康と命を守ってあげられるのは、飼い主だけなのですから!
プールや川で遊ぶ際にはこまめに休憩を取り、犬用の経口補水液などでナトリウムを摂取するようにしてあげてください。
これからの季節、犬を水遊びさせる機会もあると思います。飼い主さんは、愛犬が水中毒にならないように、ご注意ください。
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まとめ
ここでは、「楽しい水遊びが引き起こす危険性もある水中毒」について判りやすくまとめてみました。
ご心配な点や不明な点は、解決できましたか?
お宅のワンちゃんの「水中毒」の問題解決のご参考にして下さい。
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愛犬の健康を守ることができるのは飼い主さんだけです。
正しい知識を持って、毎日の愛犬の生活にお役立ててください。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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