“ 犬を飼う ”ということは、その犬の人生に最後まで責任を持つということ。
そこで気になるのが、愛犬の寿命ではないでしょうか?
「あと何年一緒に過ごせるんだろう?」
「健康で長生きしてもらう秘訣を知りたい!」
今回は大切な家族となる愛犬のトイプードルと、
できるだけ長く一緒に過ごせるように、
- 平均寿命やギネス記録
- 人間に置き換えたときの年齢
- 健康で長生きするためのポイント
などを紹介します。
トイプードルに多い死因やかかりやすい病気についてもまとめましたので、日々の健康チェックに役立ててみてください!
トイプードルの平均寿命
トイプードルの平均寿命は15.3歳。
犬の平均寿命は14.1歳なので、トイプードルは比較的寿命が長い犬種と言えます。
しかし、あくまでも平均寿命なので、老化のスピードはわんちゃんによって異なります。
飼育環境や病気などによっても寿命は左右されるので、愛犬が健康で長生きできるように、体質に合った食事や、ストレスを溜めにくい飼育環境を整えてあげることが大切です。
人間の年齢に換算するとどれくらい?
犬は人間に比べて、1年のうちにたくさん歳をとります。
犬の年齢を人間の年齢に換算して考えると、ライフステージに合ったお世話をしやすくなるので、把握しておくと安心です。
<年齢換算表>
トイプードルの年齢 | 人間の年齢に換算 |
6ヵ月 | 9歳 |
1歳 | 17歳 |
3歳 | 28歳 |
5歳 | 36歳 |
7歳 | 44歳 |
10歳 | 56歳 |
12歳 | 64歳 |
15歳 | 76歳 |
17歳 | 84歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
また、最近では、米国カリフォルニア大学の研究チームが2019年に発表した、最新の犬の年齢換算法も注目されています。
DNAに着目した換算法で、人間に相当する年齢を「16ln(犬の年齢)+31」で算出します。この計算法だと、犬の1歳は人の31歳、犬の5歳は人の57歳、犬の10歳は人の68歳です。
これまでの換算法よりも年齢が高く出るので、驚きますよね。
ただこの換算法は、大型犬であるラブラドールのデータをもとに生み出されているため、超小型犬のトイプードルに適応するとは限りませんが、今後の研究次第では、超小型犬のDNAに着目した換算法も発表されるかもしれません。
そうすると、より実際の成長スピードに近い年齢が分かるようになるので、さらに愛犬に寄り添ったお世話がしやすくなると思われます。
トイプードルのシニア期は何歳から?
ワンちゃんは、平均寿命の半分くらいになると、“ シニア期 ” と言われているので、トイプードルの場合は7~8歳頃からシニア犬の仲間入りです。
もちろん、犬によって老化のスピードは異なりますが、シニア期に入ると老化現象が表れやすくなるので、愛犬の小さな変化に気づくことが、健康寿命を伸ばすことに繋がります。
では、どのような症状が老化のサインなのでしょうか?
老化現象の特徴
- 睡眠時間が増える
- 段差が苦手になる
- 食欲が低下する
- 口臭が気になる
- 皮膚や毛質が乾燥している
- 排泄中によろめく
・・・などの特徴がみられます。
この他にも、加齢や白内障による視力の低下や難聴といった症状も表れます。
「目が白く濁っている気がする」
「名前を呼んでも反応しなくなった」
など、愛犬の変化を察知することで、適切な治療を早期に受けることができます。
また、
・食事を柔らかいものに変える
・歩きやすい散歩コースに変える
・・・など、飼い主のサポートによって快適なシニア期を過ごせるようにしてあげます。
トイプードルの寿命をのばすためにできる5つのこと
日本獣医師会雑誌に掲載された論文では、飼い主さんが健康管理に手をかけ、適切な飼い方をしたわんちゃんのほうが長生きしたというデータも示されているので、以下のポイントをぜひ参考にしてください。
ストレスの少ない生活環境
トイプードルはとても賢く社交的な犬種で、遊ぶことが大好きです。
そのため、「お留守番が多い・長い」「運動が少ない」といった環境にストレスを感じやすいため、忙しい方にはトイプードルの飼育は不向きかもしれません。
どうしても散歩が難しいという場合は、室内で十分に運動できるスペースを確保しましょう!
散歩の場合は“ 15~30分程度の運動量 ”を必要とするので、同等の運動ができる環境づくりが大切です。
ストレスは心身への影響が大きいので、問題行動を起こす原因や、寿命を縮める要因になりかねません。
トイプードルを飼う場合は、散歩だけでなく” ふれ合う時間 ”も十分にとってあげてください。
ちなみに、トイプードルは、家族だけではなく、他のわんちゃんと遊ぶことも好きな子が比較的多いです。
多頭飼いは長生きと関連が深いという研究もあるので、先住犬との相性が良く、環境や費用などが許すのであれば、多頭飼いで愛犬の暮らしがより豊かになるかもしれません。
室内の環境整備や温度の管理
トイプードルはジャンプ力がある犬種ですが、骨が細く折れやすいので注意が必要です。
骨盤や脊椎骨折をした場合は、「立ち上がる」「排泄する」といった日常生活が難しくなるケースもあり、寿命を縮める原因となります。
フローリングは滑りやすく、「骨・関節・腰」に大きな負担がかかってしまうので、マットを敷くなどの対応をしてください。
また、トイプードルは体温調節が苦手なので、暑さや寒さに弱い犬種でもあります。
暑さや寒さで体が弱ると、免疫力が低下して様々な病気を発症しやすくなるので、室温を冬は20~23℃・夏は26℃にセットしておくと安心です。また、外出の際は、必要に応じて洋服を着せてあげます。
オーラルケア
トイプードルのような超小型犬は、口が小さく、歯と歯の間が狭いので、歯周病が重症化しやすいです。
歯周病は、3歳以上のわんちゃんの約90%がかかっていると言われる、犬の中で最も発症率の高い病気で、重症化すると死に至ることもある恐ろしい病気でもあります。
口内の健康を保つことは寿命を伸ばすことに繋がるので、子犬期からの毎日の歯磨きが重要です。愛犬に合ったケアグッズを利用しながら、毎日オーラルケアを行いましょう。
愛犬がシニア犬だという場合も、遅くはありません。年齢が上がってからでも歯磨きトレーニングはできますのでチェックしてみてください。
健康に良い食事
トイプードルに健康に良い食事を与えるには、愛犬の体質に合ったドッグフードを見つけましょう。
体質には個体差があるため、ドッグフード選びはなかなか難しいですが、以下のポイントを押さえると、健康を維持に適したドッグフードが見つかりやすくなります。
トイプードルが気をつけたい病気やトラブルをサポートできる成分が配合されたものを選べるポイントなので、ぜひ参考にしてください。
トイプードルの健康に良い食事のポイント ①主原料は良質な肉や魚 ②着色料や甘味料不使用 ③オメガ3とオメガ6配合 ④お腹や関節をケアする成分配合
トイプードルに必要な栄養素をしっかりと配合した食事は、寿命を伸ばすことへと繋がるので、ぜひチェックしてみてください。
定期的なシャンプー・カット
トイプードルは、シングルコートという種類の被毛を持つ犬種です。シングルコートの犬種は、毛が抜けにくい代わりに伸びるスピードが早く、毎日のブラッシングや定期的なカットが必要です。
そのため、ブラッシングやカットの頻度が少ないと、毛が絡まって毛玉ができてしまいます。
毛玉ができると、皮膚が引っ張られるので愛犬が痛みを感じたり、汚れが溜まりやすく不衛生です。皮膚病の原因にもなるため注意します。
なお、愛犬の年齢が上がってくると、トリミングサロンでの長時間のカットは体の負担となります。
シニア犬専用の、スピードを重視したカットコースや、動物病院でのトリミングを利用するなどして、可能な限り皮膚被毛のケアを行ってあげてください。
トイプードルがかかりやすい病気
犬種ごとにかかりやすい病気が異なるので、トイプードルがかかりやすい病気について確認していきましょう。
<トイプードルがかかりやすい病気>
病 名 | 症 状 | 対処法 |
外耳炎 | 耳の中の臭いがきつくなったり、耳をかゆがる仕草を頻繁にする。 | 耳が垂れている犬種なので、シャンプー後は耳を裏返したり、定期的な耳掃除をする。 |
膝蓋骨脱臼(パテラ) | 後ろ足の膝のお皿が外れ、足を浮かせたり引きずったりする。 | フローリングなどの滑りやすい床にマットを敷いたり、高いところからジャンプしないように気を付ける。 |
てんかん | 意識の有無にかかわらず、体の一部または全身がけいれんする。 | 発作中は頭をぶつけないように見守り、時間や症状をメモして、正確な情報を獣医師に伝える。 |
進行性網膜萎縮 | 網膜が縮小して正常に動かなくなり、進行すると失明する。 | 予防法や治療法がないので、失明による活動量の減少を防ぐため、安心して活動できるようにフォローする。 |
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症) | 散歩中に座って休んだり、咳が出る。 | 心臓に負担がかからないように、肥満にならないための食事の見直しや、過度な散歩は控えるようにする。 |
トイプードルに多い死因
トイプードルの死因は、「泌尿器疾患」「循環器疾患」「肝臓・胆囊・膵臓系」の3種類が多い傾向があります。
犬種によって上位の死因は異なるというデータがあるため、把握しておくと、愛犬のお世話をする際に重視すべきポイントが見えてくるでしょう。
なお、上記グラフを見て分かる通り、中には「死因不明・突然死」というわんちゃんもいるようです…。
また、「老衰」で亡くなるわんちゃんは、かなり少ないことも分かります。
愛犬とのお別れはどのような理由でも辛いものですが、健康に寿命を全うすることはなかなか難しいようです。
できれば、1年に1回は健康診断を受けるなどして、病気の早期発見と適切な治療、そのサポートを行いましょう。
Q.タイニープードルやティーカッププードルは寿命が短い?
A.通常サイズのトイプードルと平均寿命は同じです。
タイニープードルやティーカッププードルのように体が小さくても、寿命が短いとは限りません。適切な飼い方をして、飼い主さんが健康管理に気を配ることで、トイプードル同様に長生きが目指せます。
ただし、体が小さいぶん、普段から注意して愛犬の様子を見ていてあげることが大切です。
特に、食事量が少ない子や体の大きさに対して運動量が多い子の場合は、低血糖で倒れてしまわないように、食事の内容や回数を工夫する、おやつを適宜与えるなどの対策が必要になります。
普段使用するベッドや毛布、おもちゃなどを選ぶ際にも、体の負担にならないか注意しましょう。中には、あまりの小ささに、布団の中で窒息してしまったり、体がベッドに沈み込んでしまったりする子もいます。
また、病気になったときに重症化するリスクや麻酔のリスクが高くなる可能性もあるので、健康に長生きしてもらうために、愛犬に寄り添ったお世話をするようにしてください。
Q.トイプードルのオスとメスで寿命に差はある?
A.寿命の長さに性別差はありませんが、犬の死因は、性別によって異なる傾向があります。
日本獣医師会の論文によると、わんちゃんの様々な死因の中でも、「原因不明・突然死」と「生殖器系の疾患」の2つでは、オスとメスで有意差があるようです。
あくまでひとつの研究データであり、トイプードルに特化した結果では有りませんが、「原因不明・突然死」はオスに多く、「生殖器系の疾患」はメスに多い傾向があると発表しています。
Q.クリームやシルバーなど毛色でも寿命に差はある?
A.基本的に毛色による寿命の差はないと考えられますが、トイプードルのレアカラーの中には、遺伝的な疾患が発症しやすいといわれる色があります。
一般社団法人ジャパンケンネルクラブによると、
トイプードルの毛色は、
- ブラック
- ホワイト
- ブラウン
- グレー
- フォーン(アプリコットなど)
ですが、一般的には、レッドやシルバーなど10種類以上も呼び名があります。
その中でも、レアカラーとされているのがブルーです。
美しい色ですが、ブルーの毛色を持つわんちゃんは、「マール遺伝子」という、耳や目などの疾患を発症するリスクが高い遺伝子を持っている可能性があります。
しかし、愛犬の毛色が何であれ、末永く健康でいてもらうためには、定期的に動物病院で健康診断を受けることが大切です。
最期に・・・
トイプードルの寿命は、15.3歳と比較的長生きしてくれる犬種でした。
トイプードルの寿命をのばす5つのポイント
- ストレスの少ない生活環境
- 室内の環境整備や温度の管理
- オーラルケア
- 健康に良い食事
- 定期的なシャンプー・カット
適切な飼育環境により、もっと もっと 永く一緒の時間を過ごせるかもしれません。トイプードルの性格や体質などをふまえて、快適な環境を整えてあげてください。
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