その昔、中国宮廷で、神の使者、聖なる犬として大切にされていたシー・ズーです。
豊富な長い毛が体を覆い、気品あふれる雰囲気を漂わせています。
鼻の周りの毛が四方に広がって生えるので、キクの花のようにも見えます。
体全体で感情を表す姿は愛嬌たっぷり。明るく穏やかで親しみやすい性格の持ち主です。
理解力があるので、しつけはしやすいですが、
きつく叱ることは控えてほめながら行うことが大切です。
ここでは、
「シーズーの特徴、性格、飼い方や掛かりやすい病気」について
説明をします。ご参考になれば幸いです。
シーズーの特徴
歴史
シーズーは数百年に渡って中国の宮廷で飼育されていたと言われており、ペキニーズとラサアプソが交配して誕生したそうです。シーズーは中国語で「獅子狗(ライオンのような犬)」を指し、守り神として大切に飼われてきました。
中国とチベットは仏教を通じて古くから交流があり、チベットの僧院から中国の王侯貴族へ、聖なる動物としてラサアプソなど短頭種が贈られてきました。
シーズーはラサアプソとペキニーズを交配して作出された犬種とされています。
いずれも現存する犬種であり、両国においてそれぞれが神の使いとされていました。
歴史的順序としては、8世紀ごろにチベットから贈られたチベタン・スパニエルを中国王宮内で繁殖固定したのがペキニーズ、同じくチベットから16世紀頃に贈られたラサアプソとペキニーズを交配し、固定化されたのがシーズーという形です。
3犬種の中ではシーズーの作出が最も新しく、19世紀に誕生したと推定されています。
シーズーは中国語で「獅子」を指しますが、シーズーもペキニーズ同様に獅子狗とされ、守り神として王侯貴族の家庭内で大切に飼われてきました。
日本には1963年頃に渡り、今では幅広い世代から愛される人気犬種となりました。
大きさ・体重
体重 | 4.5~8.1kg |
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体高 | 26.7cm以下 |
シーズーは小型犬に分類されます。体高よりも体長の方が少し長く、小柄ながらもしっかりとした体格をしています。
しっぽの付け根は他の犬よりも高い位置にあり、しっぽの被毛は背中にくっついているようにも見えます。
毛の色
シーズーの毛色はあらゆる色が認められています。
ホワイト、ゴールド、ブラック、ブルーなどの単色やパーティーカラーなど様々な毛色があり、パーティーカラーは前頭部や尻尾の先が白いものが好ましいとされています。
また、シーズーはダブルコートの長毛種ですが、抜け毛は少なめです。
長い毛を活かしてフルコートにしたり、短めのサマーカットにしたりと、様々なカットスタイルを楽しむことができますよ。
フルコート(+トップノット)
サマーカット
平均寿命
シーズーの平均寿命は14歳前後です。
小型犬の平均寿命は15歳前後ですので、シーズーは平均的な寿命と言えるでしょう。
近年は獣医療が進歩し、犬の健康に配慮したフードも多く開発されていますので、
飼い主さんがワンちゃんの健康に気遣ってあげれば平均寿命以上に長生きしてくれることと思います。
シーズーの性格
シーズーはとても明るく穏やかな性格をしていて、飼い主さんには愛情深く接してくれます。友好的で他の犬や小さなお子さんとも仲良くしてくれるので、家庭犬に向いている犬種と言えます。
頑固な一面もあるので、子犬の頃からしつけるようにすることが大切です。理解力があるので、飼い主さんの言うことはよく聞いてくれます。
子犬期の性格は?
穏やかな性格をしているシーズーですが、子犬期は好奇心旺盛で元気いっぱいに遊びまわります。子犬期は遊びを通じてたくさんのことを学ぶため、屋外にも積極的に連れていって社交性を身につけさせます。
噛みつきや無駄吠えは少ない犬種ですが、
子犬期に甘やかしてしまうと問題行動を起こす子になってしまいます。
子犬期からしつけるようにしてください。
シーズーは遊び好きで活発な面と、穏やかで落ち着いた面の両方を持ち、人やほかの犬にも友好的です。愛情深く、おおらかで神経質な個体は少ないため、子どもとの付き合い方も上手です。
家族に対して非常によく気遣いをし、様子を見て接するなど、愛玩犬らしい思慮深い面があります。
シーズーはやや保守的でプライドの高い面もありますので、排他的に育ってしまうと番犬のような振る舞いをしてしまうことがあります。
シーズーの飼い方
食事
犬の食事は成長段階に応じて与えるフードの種類や量、回数、与え方などを変えなければなりません。基本的には、ドッグフードのパッケージに記載されている目安量を与えれば問題ありません。
シーズーのような短頭種はドッグフードが食べにくいので、食べやすいようにフードボウルの高さを調節してあげるようにします。
また、肥満になりやすい犬種ですので、ドッグフードやおやつを与えすぎないように注意します。
関連記事:シーズーに合うドッグフードと選び方は?おすすめはコレ!
運動
シーズーは小柄なため運動量は少ないのですが、好奇心旺盛で遊ぶのが大好きなため、毎日の散歩は欠かせません。運動はストレス発散になりますし、肥満予防にもなります。シーズーは肥満になりやすいので、しっかりと屋外で運動させてあげるようにしてください。
また、シーズーは体温調整が苦手で暑さには弱いため、夏は涼しい時間帯に散歩させるようにします。
シーズーのしつけ
シーズーはしつけやすい犬種ですので、他の犬種よりもしつけで苦労することはないでしょう。
ただし、がんこな一面もあるため、子犬の頃からしっかりとしつけておくことが大切です。がんこな性格を許容してしまうと、その後わがままな子になってしまう恐れがあります。
また、飼い主さんが大好きでよく甘えてくれますが、飼い主さんにかまって欲しいから吠えるという「要求吠え」には応じないようにします。
要求吠えに応じると、吠えたら言うことを聞いてもらえると学習してしまいますので、甘やかさずに毅然とした態度で接します。
シーズーの気を付けたい病気
角膜炎
角膜炎はホコリや細菌、アレルギーなどによって角膜に炎症が起きる病気です。
角膜炎になると涙や目やにが多くなったり、しきりに目をこすったりするようになります。
シーズーは被毛が長くて角膜炎を引き起こすことがありますので、目の周りの毛はカットしたり、縛ってあげたりして角膜炎を予防するようにしましょう。
緑内障
緑内障とは、眼圧が高くなることで目の奥にある視神経に障害が生じる病気です。
短期間で失明に至ることが多いと言われていますので、目が真っ赤に充血している、瞳孔が開いているなどの症状がみられたらすぐに動物病院へ連れて行きます。
飼い主さんは日頃から愛犬の目の状態をチェックしてあげるようにしてください。
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎は、皮膚に存在する「マラセチア」という常在菌が必要以上に増えて炎症を引き起こす病気です。マラセチア性皮膚炎になると皮膚が赤くなる、臭いやべたつきが出る、フケが多くなるなどの症状がみられます。
予防としては、定期的にブラッシングをして皮膚の通気性を良くすることなどが有効です。
肛門周囲腺腫
肛門周囲腺腫は肛門の周りにしこりができる病気で、去勢を行っていない高齢のオスの犬がかかりやすいと言われています。
酷い場合には排便が困難になることもありますので、若いうちに去勢手術を検討すると良いでしょう。
激怒症候群
激怒症候群とは、突然犬が人や他の犬に対して噛みつくなど、攻撃的になる病気です。
ストレスに対して効能のある「セロトニン」という脳内伝達物質の量が低下することで発症すると考えられています。
根本的な治療法はなく、主に薬物療法で様子をみることになります。
関連記事:シーズーの寿命と気をつけたい病気♤♤♤
シーズーの体臭は?
シーズーは独特の体臭がある犬種としても知られています。
皮脂分泌が多いため、皮脂が酸化して臭いが出たり、皮膚疾患になって臭いが出たりします。体臭を抑えるためには、定期的にシャンプーをして清潔な状態を保つことが大切です。
その他にも、シーズーは垂れ耳で耳の中が蒸れやすくて臭いが出ることがありますので、こまめな耳掃除も欠かせません。
また、すべての犬に言えることなのですが、トイレの臭いが原因なこともあります。
特にシーズーは足が短めでお尻周りの毛におしっこやうんちが付きやすいので、被毛に排泄物がついたら拭ってあげるようにしてください。
シーズーを飼う上での注意点
シーズーはマンションでも、共働き世帯でも飼いやすいワンちゃんとされています。
そんなシーズーを飼う際には、以下のことに注意しましょう。
コミュニケーションをたくさんとる
飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きなので、室内でも愛犬と遊んであげるようにしてください。体が小さいので運動量は少ないですが、室内でおもちゃを使って遊ぶことも大切です。
たくさんコミュニケーションをとれば愛犬との絆が深まりますし、些細な変化に気付きやすくなり、病気の早期発見・早期治療にも繋がります。
飼育環境を整える
シーズーはもともと愛玩犬として生まれた犬種ですので、室内飼いを徹底するようにしてください。
甘えん坊で家族が大好きな性格をしているので、リビングにケージを設置するなど、なるべく家族と一緒の空間にいられるようにしましょう。
短頭種で体温調節が苦手なので室温には気を付け、滑りやすいフローリングなどにはマットを敷いてあげることが大切です。
シーズーが安全かつ快適に過ごせるよう、環境を整えてからお迎えするようにしてください。
シーズーのお手入れ方法
目のケア
シーズーのような短頭種は生まれつき「流涙症」という、目から涙が溢れる病気になりやすいと言われています。
目の周辺に涙が溜まってしまうと涙やけができてしまいますので、涙やけ用のローションをコットンに浸して、涙やけを優しく拭ってください。
涙やけが原因で皮膚疾患になる恐れもありますので、飼い主さんはこまめに目のケアをするようにしてください。
また、シーズーの長い毛が目を刺激しないように、目の周りの毛をカットしたり、ゴムで結んであげたりすることもおすすめです。
関連記事:シーズーの涙焼けや目の赤みについて紹介します
ブラッシング
シーズーは毛が長いため、毎日のブラッシングが必要です。
ピンブラシやスリッカーブラシ、コームなどを用意し、優しくブラッシングしてあげましょう。
シーズーはダブルコートのなかでは抜け毛が少ない犬種ですが、抜け毛がないわけではありません。ブラッシングは毛並みを整えたり、抜け毛予防になったりしますので、怠らないようにしてくださいね。
シャンプー
シーズーは皮脂分泌が多い犬種ですので、2週間に1回の頻度でシャンプーします。シャンプーする際に余分な皮脂を洗い流せば、体臭対策になります。
シャンプーを嫌がる子には、いきなりシャンプーするのではなく時間をかけて徐々に慣らしていきましょう。
トリミング
シーズーは長毛種のため、定期的にトリミングしないと毛玉ができやすくなってしまいます。トリミング頻度は月に1回ほどですので、忘れずにトリミングしてあげるようにしましょう。
サマーカットやトップノット、テディベアカットなど、様々なカットスタイルを楽しんでくださいね。
まとめ
シーズーは素直で大人しい性格のため、マンションに住む方や共働き世帯でも飼いやすい犬種と言われています。
しつけもしやすいため、初めて犬を飼う方にもおすすめです。
家族に愛情深く接してくれるので、シーズーはあなたの良きパートナーとなってくれることでしょう。
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